「俳優からビジネス、そして英語教育の世界へ Vol.1」▶︎J-Bizエデュケーション株式会社代表 齋藤浩史さん(JB齋藤)に聞く
- David Thayne
- 9月29日
- 読了時間: 4分
更新日:10月6日
ゲストのJB齋藤さん(本名・齋藤浩史)は、日本生まれ。海外では“JB(Japanese Boy)”の愛称で呼ばれています。19歳の時に俳優を志して渡米。アクターズ・スタジオで演技を学び、台本を用いた実践的な会話訓練が「リアルに使える英語」の土台になったといいます。
俳優志望から金融・経営、そして教育の世界へ——異色の歩みを持つJB斎藤さんに、英語習得の本質、日本の英語教育の課題、AIとの賢い付き合い方を伺いました。内側と外側の視点を持っているからこそわかる、日本の英語教育の問題点や、自身の体験から学んだ「セレンディピティ(偶然の出会い)」の大切さまで、熱のこもった英語教育への思いを、2回に分けてお送りします。ぜひおお読みください。

【齋藤浩史さん略歴】
J-Bizエデュケーション株式会社代表取締役。誰にも負けないコミュニケーション能力(アウトプット)を得るために10代後半からアメリカで舞台俳優の経験を積む。その後、ゴールドマンサックス証券でエクイティトレーディングと営業経験、また他外資系金融で海外の政府資金調達案件に取り組み、現在米国マサチューセッツ州立大学の経営大学院(MBA)でエグゼクティブファカルティメンバーとして、組織行動論とオペレーション管理を教える。
◾️俳優になるために学びはじめた英語
David Thayne(以下D): こんにちは、ディビッドです。今日は特別ゲストとして、私の友人でもあり仕事仲間でもあるJB斎藤さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
齋藤(以下S): よろしくお願いします。日本名は齋藤浩史ですが、海外では「JB」と呼ばれています。現在は会社を経営しながら、マサチューセッツ州立大学のMBAプログラムで教えたり、自分の会社で学生や社会人に英語やビジネスを教えたりしています。
D: JBという名前の由来を教えていただけますか?
S: 実は少し恥ずかしい話なんですが(笑)、アメリカに行った頃、自己紹介で「Hiro Saito」と言ったつもりが発音が悪く「Hero S****」と聞こえてしまい、大笑いされてしまいました。その後「Japanese Boy」を縮めてJBと呼ばれるようになったんです。
D: 英語がとても流暢でいらっしゃいますが、日本の大学から海外へ移られたのでしょうか?
S: そうです。大学の途中でアメリカにトランスファーしました。実は当時の夢は俳優になることだったんです。舞台に立ちたい、その強い思いが英語学習の大きなモチベーションになりました。アクターズスタジオに通って演技を学んだ経験は、実際の会話力を鍛える最高の場でしたね。
◾️俳優からビジネスの世界へ
D: 俳優志望からビジネスの世界へは大きな転換ですね。
S: 俳優を目指していましたが、やはり生活費が必要になりまして、たまたま見つけたゴールドマン・サックス系のヘッジファンドでインターンを始めました。そこで金融とビジネス英語を学んだのが人生の大きな転機でした。その後モルガン・スタンレーでも働きましたが、外資系は解雇が当たり前の世界です。レイオフを実際に経験し、「守ってくれるものはない」ということを悟って独立を決意しました。
D: 俳優の経験は現在の教育活動にも活かされていますか?
S: 大いに活かされています。俳優は人の感情を動かす仕事ですが、教育も人の心に影響を与え、人生を変えることができる仕事です。だから教育に強い魅力を感じました。生徒の前に立つときも「パフォーマンス」が必要で、楽しませる姿勢は俳優時代と全く同じです。

◾️独立への挑戦と壁
D: 日本で独立される際の挑戦や困難はありましたか?
S: 一番大きかったのは独立の瞬間です。会社員時代は福利厚生にしっかりと守られていましたが、それを捨てるのは本当に大きな壁でした。さらに肩書がなくなると、銀行口座を開設するのも困難になります。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーの看板がある時は皆さん話を聞いてくださいますが、独立後はそうはいきません。だから必死に勉強して信頼を築いてきました。
◾️日本人の英語学習における課題
D: 日本のビジネスパーソンが英語を学ぶ上での最大の課題は何でしょうか?
S: 大きく2つあります。ミクロ的には「テスト点数至上主義」です。会社は点数でしか評価できないので、学習者も点数ばかりを追ってしまいます。マクロ的には「日本は英語がなくても生きられる経済圏」だということです。だから本気でアウトプットを重視する必要性を感じにくいんです。
D: なるほど、確かにそうですね。
S: 実際、年収1000万円以上を英語なしで稼げる国は、世界でも日本くらいです。でもこれからは確実に変わります。グローバル化が進み、英語が必須になる時代がやってくるでしょう。
〜続きは次回 Vol.2でお楽しみください〜


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